重合禁止剤(じゅうごうきんしざい、英: polymerization inhibitor)は、光や熱の影響によって重合反応を起こしやすい物質に添加して、それを阻害する試薬である。単に禁止剤とも呼ばれる。市販されているモノマーには重合禁止剤が添加してあるので、重合反応を行うときは蒸留、洗浄などして取り除く必要がある。

よく使われる重合禁止剤の一つにヒドロキノン誘導体がある。ヒドロキノンはモノマーに発生したラジカルによってフェノール性水素を引き抜かれて安定ラジカルを形成し、ベンゾキノンを生成する。また、生成したベンゾキノンも禁止剤として作用する。ただし各禁止材の重合阻害の活性は、対象のモノマーによって大きく異なる。

主な重合禁止剤

  • 4-tert-ブチルピロカテコール
  • tert-ブチルヒドロキノン
  • 1,4-ベンゾキノン
  • ジブチルヒドロキシトルエン
  • 1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル フリーラジカル
  • ヒドロキノン
  • メキノール
  • フェノチアジン

関連項目

  • 捕捉剤
  • 連鎖移動反応
  • ラジカル重合
  • 重合開始剤

脚注


アニオン重合とカチオン重合の反応を分かりやすく解説!! 化学の地元

【論文紹介メモ】フェノール系(Styrene, Phenol, Catechol, Gallol)水中接着剤の合成と比較 あひる日記

ラジカル重合の開始剤・禁止剤を解説!種類,構造がわかる アイアール技術者教育研究所

JP3880643B2 芳香族ビニルモノマー用重合禁止剤組成物およびそれを用いた重合禁止方法 Google Patents

水溶性重合禁止剤 精工化学株式会社