パストラール』(Pastorale)は、イーゴリ・ストラヴィンスキーの声楽曲。ニコライ・リムスキー=コルサコフの監督下にあった1907年に作曲された。歌詞はなく、ヴォカリーズで歌われる。ウスティルーフ(今はウクライナ領)にあったストラヴィンスキー家の別荘において作曲され、恩師リムスキー=コルサコフの令嬢ナジェージダに献呈された。

ピアノによる単純なオスティナートと全音階的で平明な旋律を持ち、当時のストラヴィンスキーの他の曲が複雑な技巧を駆使しているのと対照的である。オスティナートは後のストラヴィンスキー作品の一大特徴をなすが、この時代では珍しい。リチャード・タラスキンによると、ワンダ・ランドフスカが1907年にロシアでチェンバロ演奏旅行を行っており、その影響を受けているのではないかという。

初演

セルゲイ・ゴロデツキーの詞に作曲した「春」とともに、リムスキー=コルサコフの家で私的に公開された。ストラヴィンスキーがピアノを弾き、ナジェージダが歌った。ゴロデツキーの曲はリムスキー=コルサコフの気にいらなかったが、パストラールは好評だった。

1907年12月27日(ユリウス暦)にサンクトペテルブルクの「現代音楽の夕べ」で、やはりゴロデツキーの「春」とともに公開初演され、イェリザヴェタ・ペトレンコが歌った。ストラヴィンスキーの曲が有料の演奏会で演奏されたのはこれが初めてだった。

編曲

原曲はソプラノとピアノ伴奏のために作曲されたが、後にストラヴィンスキーは、種々のアンサンブルのために幾たびかの編曲を行なっており、以下のような版が知られている。

  • ソプラノとオーボエ、コーラングレー、クラリネット、バスーンのための版(1923年)
  • ヴァイオリンとピアノのための二重奏版(1933年)
  • ヴァイオリンとオーボエ、コーラングレー、クラリネット、バスーンのための版(1933年)1933年の2つの版は、原曲よりも2分ほど長く、原曲の厳格な編曲というわけではない。

ヴァイオリンとピアノのための版は、2年前に《ヴァイオリン協奏曲》を初演してくれたヴァイオリニスト、サミュエル・ドゥシュキンのために作成され、作曲者自身とドゥシュキンにより、1933年のうちに新版が初演された。

ほかにレオポルド・ストコフスキーによって管弦楽曲に編曲されている。

参考文献

  • Richard Taruskin (1996). Stravinsky and the Russian Traditions: A Biography of the works through Mavra. 1. University of California Press. ISBN 0520070992 

ポリーニ / ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」 キキミミレコード

ポリーニ / ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」 キキミミレコード

LP レコード シゲティ&ストラヴィンスキーの自作自演/「パストラーレ」ほか 独CBS 3407

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