『Alas de Hierro 〜虚空に散った若き戦士たちへの鎮魂歌〜』(アラス・デ・イエロ 〜こくうにちったわかきせんしたちへのレクイエム〜 Alas de Hierro 〜Requiem for young soldiers scattered into the sky〜)は、2004年にJ.S.B.吹奏楽団の委嘱で天野正道が作曲した楽曲。題名の「Alas de Hierro」とはスペイン語で「鉄の翼」という意味である。
作曲の経緯
天野がJ.S.B.吹奏楽団第17回定期演奏会のリハーサルに立ち会った後、指揮者の東久照が知覧町にある知覧特攻平和会館に天野を連れて行き、天野がそれを見学すると胸を打たれた。その時に、東や知覧特攻平和会館の館長の熱意により作曲を決意した。その後2004年にJ.S.B.吹奏楽団第18回定期演奏会の曲目としてJ.S.B.吹奏楽団の委嘱で作曲され、同年に行われたJ.S.B.吹奏楽団第18回定期演奏会にて初演された。また、同年に行われた鹿児島県吹奏楽コンクールの自由曲に使用、県代表に選ばれ、九州吹奏楽コンクールで金賞を受賞した。
曲は太平洋戦争末期に行われた特攻を元にしており、天野が知覧特攻平和会館で見たことを元に書き上げた。後半は特攻で亡くなった人への鎮魂歌となっている。
曲の構成
曲の冒頭は静かに、今と変わらない平和な知覧の様子を描写している。しかし、次第に不吉な雰囲気が漂い、特攻が始まる。戦闘機の墜落を思わせる木管群・トロンボーンの下降グリッサンドが頻出する。そして、強烈な不協和音がトゥッティで襲う。後半は鎮魂歌(レクイエム)として静かに歌われる。
編成
参考文献
- CDニュー・オリジナル・コレクション Vol.3 吹奏楽のためのゴシック(BOCD-7168)の解説
- 吹奏楽マガジン Band Power:スペシャル 富樫哲佳 第63回<補遺6> 太平洋戦争末期の特攻(1945年) Alas de Hierro ~虚空に散った若き戦士たちへの鎮魂歌(レクイエム)~(天野正道作曲)の記事




